「経営・管理」在留資格は、これまで日本語能力や学歴要件が設けられていなかったことから、一定の資産背景を有する多くの方に選ばれてきました。
しかし、2025年10月16日以降、出入国在留管理庁による制度改正により、申請要件および審査基準は根本的に見直され、実務上も従来とはまったく異なる水準での対応が求められています。
当事務所代表の行政書士は、「経営・管理」在留資格をはじめとする外国人の在留・事業支援分野において豊富な実務知見を有し、制度改正後の最新運用を踏まえた実践的なサポートを行っております。
本稿では、新制度の要点や注意すべき実務ポイントについて専門家の視点から解説しておりますが、個別事情により求められる対応は大きく異なります。
より具体的な可否判断や最適な申請方針については、WeChat(微信 Z573311502)または下記お問い合わせフォームよりご連絡ください。
日本・大阪にて、専門家として責任をもってご相談を承っております。
経営管理ビザとは

☝出入国在留管理庁には在留資格「経営・管理」について、上記のように定義されています。昔は「投資・経営ビザ」と言われていましたが法改正で呼び名が変わっています。
経営管理ビザの申請条件

☝上記出入国在留管理庁の公式HPには経営管理ビザの基本的な申請条件が記載されています。
それ以外の詳しい情報については当事務所へお問い合わせください。
会社設立・経営管理ビザの申請流れ図解
A パターン:経営管理ビザの申請人が海外にいる場合(日本に進出、日本で起業)

Bパターン:経営管理ビザの申請人が日本国内にいる場合(会社員から独立、大学卒業して起業)

経営・管理ビザの申請流れ
▶1 継続可能な事業計画書を作成し、事業全体の概要を纏める
▶2 事務所の所在地を確保する
▶3 会社設立の手続きする
▶4 事業の必要な許認可を取得
▶5 経営管理ビザの申請資料準備する
▶6 入管にてビザ申請する
▶7 経営管理ビザ許可
経営・管理ビザ申請についてのQ&A
今まで見聞きした経営・管理ビザ申請についてのQ&Aとしてまとめましたので、ご参考下さい。
Q.「経営・管理ビザ」の申請してからの審査期間はどのくらいですか?
☞ 少なくとも2か月以上を要します。場合によっては、半年以上かかることもあり、申請書類の準備状況や内容の充実度が、審査期間に直接影響します。
Q.経営管理ビザを取得するには必ず会社設立が必要ですか ?
☞ 会社設立はビザ申請のため必ず必要なことではありません。個人事業でも、店舗や事務所などがあれば、会社設立をしなくてもビザを取得できる場合があります。ただし、多くの場合、会社を設立したほうがビザが下りやすくなることが多いので、会社設立することをお勧め致します。
Q.会社を新規に設立しない場合でも、友人の経営している会社の共同経営者となって、経営管理ビザが認められる場合はありますか?
☞ はい、既存の会社の経営者になる場合でも認められることはあります。M&Aにより会社を買収して従来の経営者に代わって経営者となる場合やすでにある会社に経営者として追加的に参画する場合などにも認められます。
Q.自分は、会社を経営した経験はないのですが、経営管理ビザの取得は可能ですか?
☞ 新制度施行以前は、申請人に会社経営の実務経験がなくとも、経営に関する知識を有し、かつ経営方針が明確で説得力のある事業計画書を作成できる場合には、「経営・管理」在留資格が許可される可能性がありました。
しかし、2025年10月16日に新制度が施行されて以降は、実務上の経営経験がなく、かつ経営・管理分野における修士号以上の学位を有していない場合、同在留資格の申請要件を満たさないものとされています。
Q. 株式会社でなく、合同会社でも経営管理ビザの取得は可能ですか?
☞ はい、可能です。当事務所では、株式会社と合同会社の違いにつきまして、ブログも書いてありますので、興味がある方はぜひご覧になってください。
Q. 経営管理ビザの申請はお金も時間もかかり、面倒です。経営管理ビザを取得せずに、商用の短期滞在ビザで来日して会社経営を行ってはいけないのでしょうか?
☞ 日本の会社から報酬をもらうのであれば、短期滞在ビザでの来日は違法です。短期のマルチビザを持っている場合も同様です。
日本の会社の経営者に就任し、報酬を受ける場合には、「経営・管理ビザ」の活動を行うことになりますので、たとえ会議や連絡業務のため来日する場合であっても、経営管理ビザを取得したうえで入国しなければ違法となります。気をつけてください。
Q NPO法人の理事長、理事も、経営管理ビザの対象となりますか?
☞ はい、NPO法人の理事長、理事も、経営管理ビザの対象となります。経営管理ビザが認められる業務としては、株式会社や合同会社の営利目的のビジネスでなくてもOKです。一般社団法人の理事や、公益社団法人の理事等でも認められることがあります。
ただし、NPO法人の場合、経営基盤が弱いケースが多いことから、経営の安定性、継続性についてはしっかり示す必要があります。
Q.「経営・管理ビザ取得のために資本金はいくら必要ですか?日本の会社法上は、資本金は1円以上あればよいこととなっていると聞いたのですが、1円で会社設立した場合でもビザは許可されますか?
☞ 前述の「申請要件」にも記載のとおり、2025年に出入国在留管理庁が公表した新制度により、資本金は3,000万円以上であることが必須要件とされています。
従来制度において認められていた、「資本金または出資額が500万円以上であること」もしくは「常勤職員を2名以上雇用すること」のいずれか一方を満たせば足りるという時代は、すでに終了しました。
Q.資本金が3000万円以上必要なのはわかりましたが、資本金は親からの借入金でも良いですか?
☞ はい、借入金で資本金の出資金とすることは違法ではありません。ただし、借入金を証明する書類及び、事業計画書において、合理的な返済計画を含める必要がありますので、その分書類や説明が増えることになります。
Q. 経営管理ビザで経営が軌道に乗るまで、アルバイトで生活していきたいです。可能でしょうか?
☞ 法的な観点からは、「資格外活動許可」を取得することで、このような対応が理論上は可能とされています。
しかしながら、実務上は許可が下りるケースは極めて少なく、また当該申請を行うことにより、出入国在留管理庁から「経営・管理」在留資格申請の動機そのものについて疑義を持たれる可能性もあります。
Q.日本で経営管理ビザを申請する場合、常勤の従業員を雇用しないといけないと聞きましたが、本当ですか?
☞ 従来の旧制度では、資本金500万円以上であることと、常勤職員の雇用はいずれか一方を満たせば足りる要件でした。
しかし、2025年10月16日以降の新規申請においては、日本国内に居住する身分系在留資格を有する常勤職員を雇用することが必須要件となっており、もはや選択要件ではありません。
Q.同じ会社で数人分の経営管理ビザを同時に取得できますか?
☞ 経営管理ビザを取得できるケースもありますのでケースバイケースですが、難易度が上がりますので基本的にはおすすめできません。
同じ会社の場合に、複数の役員が経営管理ビザの対象となるかどうかは、その会社のビジネスの規模にもよります。
例えば大きな会社であれば、2名の役員が同時に役員として経営管理ビザを取得できる可能性は十分あります。
しかし、資本金も小さく、小規模な貿易会社を立ち上げ、設立当初から2名の役員を同時に経営管理ビザで申請することはおすすめできません。この場合に考慮されることは、①事業の規模や業務量、②業務上の役割、③報酬を受けるか否か、などの点です。
Q.経営管理ビザで使う事務所は、バーチャルオフィスではダメですか?
☞ 経営管理ビザの事務所は、事業実態のあるものが必要ですので、バーチャルオフィスでは認められません。事務所の詳しい条件につきまして、当事務所にお問い合わせください。
Q.事務所の家賃を払うのがもったいないので、自宅を事務所として、経営管理ビザの申請をすることはできますか?
☞ 旧制度下においては、一定の要件を満たしていれば、自宅の一室を事務所として使用するケースが認められた例も実際に存在していました。
しかし、2025年10月16日以降の新規申請においては、このような形態は出入国在留管理庁により「原則として認められない事例」として整理されています。
そのため、事務所要件を満たしていない事業者については、入管の新たな運用方針に適合するよう、速やかに事務所所在地の変更等を行う必要があります。
Q.経営管理ビザの対象となる業種には、制限はありますか?
☞ 制限はありません。ただし、日本人が設立した場合同様、日本において違法とされている業務以外は、経営管理ビザの対象として認められます。ただし、その業務を行うためには別途の許認可を必要とする業種がありますので注意が必要です。
Q.美容室の経営管理ビザの取得者は、現業業務を行うことはできませんか?
☞ 経営管理ビザでも経営者としての業務遂行上不可欠な場合は現業業務も不可能ではありません。ただ、入管としては「好ましくない活動」と捉えていますので、更新の時にこの点が問題になることもあります。
ここではっきり言えるのは、現業業務が「主たる活動」となってはいけない、ということです。勤務時間の多くを現業業務に費やしている場合には資格外の活動を行っているとして違法となります。気をつけてください。
Q.ホテル暮らしの方が敷金や礼金もいらず、コストも安く、経済的なので、賃貸物件で住居を借りず、ホテルを住所にして日本で生活したいのですが、可能でしょうか?
☞ 現行制度ではホテル暮らしは認められません。経営管理ビザが認められるとその外国人は法律上の「中長期在留者」となります。そして、中長期在留者は市区町村役場において、住民登録の必要があるところ、一時滞在しているにすぎないホテルを住所として認めることは望ましくないからです。
Q. 経営管理ビザ申請するために、行政書士に報酬払ったら、事業計画書などの書類作成は完全に行政書士にお任せしてもよいでしょうか。
☞ 事業計画書・年間投資額説明書等の書類を的確に作成できるかどうか審査結果に大きく影響を及ぼします。しかし、実質的な経営がなく、完全に行政書士に任せたら、まず、書類偽造の法律違反という疑われますし、経営活動を行うことにも支障が出てきます。基礎でもいいので、しっかり行政書士と相談しながら、書類作成をしましょう。
Q. 日本での生活は未知なことばかりで、経営管理ビザを取得後、経営管理上にもし疑問があれば、税理士や社労士など専門家を紹介してくれますか。
☞ 外国人や外国会社の日本進出の場合、ビザ申請の問題をクリアできるかが一番大きな問題となります。ですので、まずはビザ専門の行政書士に相談、依頼することが重要です。そして、必要に応じて、当事務所から司法書士、税理士、社労士等を紹介することも可能なので、当事務所にお問い合わせください。
